ある年の12月下旬、夫のブーさんは突然「クリスマスをしよう!」と言いました。
私たちはクリスマスにあまり興味がありません。
夫は美味しいものに目がないので、クリスマスシーズンはスーパーでソワソワしていますが、それくらい。
私は若いころの経験から「クリスマス=仕掛けるもの、お客様のもの」という感覚が抜けません。
自分が動かなくても、世間が賑やかになるクリスマス、お正月、ハロウィン。
それよりは、自分が動かないと普通の日として流れてしまう誕生日や結婚記念日を大切にしています。
それなのに、夫は急に「クリスマスしよう」って何をするのでしょう?
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・普段行かないショッピングモールへ行く
・別々に分かれて相手が喜ぶクリスマスプレゼントを買う
・制限時間は1時間
・予算はお互い1,000円ずつ
宝探しみたいで面白そう!
ちょっとだけオシャレをしてショッピングモールに行きました。
集合場所と時間を決めたら、さっそく別行動。
夫の好きなものといえば、お菓子とコーラ。
あとは1,000円以内の組み合わせを考えるだけです。
スマホで計算しながらお菓子売り場をウロウロ、ウロウロ。
ポテトチップスを選んでいたらメールがきました。
「15分延長して下さい」
「OK」
どうした?どうした?
まだいいのが見つからないのか?
私はたくさんのお菓子とコーラを買い、集合場所のソファで夫を待つことにしました。
「あー、ごめんごめん。ラッピングに時間が掛かっちゃって」
夫の手には2つのプレゼント。
???
「最初にこのあったかそうなフカフカのスリッパを買ったんだ。1,000円以内だしね」
「そしたら、このマッサージ器を見つけちゃってさー。1,000円以内じゃないけど買っちゃった。きりん最近肩こりひどいでしょ」
なんかズルイ。うれしいけどズルイ!
私は必死で計算して1,000円以内にしたのに、2つも買って1,000円以上なんてズルイよ。
私なんてお菓子とコーラだけなのに、そんなにプレゼントしてくれるなんて聞いてないよ……。
結局、お菓子とコーラ、マッサージ器を2人で楽しみ、フカフカのスリッパは私の物になりました。
もらった物もうれしかったのですが、お互いの喜ぶ顔だけを考えて過ごした1時間、それこそがクリスマスプレゼントだったのだと思います。
ブーさん、素敵なプレゼントをありがとう。