仕事中、窓から空を見ると雨の気配がしました。
空き地に囲まれたプレハブ倉庫で私たち夫婦は暮らし、一緒に働いています。
ある日、倉庫の1階で仕事をしていると、昼間だというのに急に外が暗くなりました。
「そういえば、天気予報は雨だっけ……」
外へ出て、空いっぱいに広がる雲を見上げると、かすかに雨のにおい。
どこからか小鳥のにぎやかな声が聞こえます。
キョロキョロと辺りを見回すと、電線にたくさんの小鳥が並んでいました。
どこからか電線に飛んでくるもの、電線からどこかへ飛び立つもの。
情報交換をしながら、何やらとても忙しそうです。
2,3分撮影している間に、多くの小鳥が電線から飛び立っていきました。
寝床へ戻ったのでしょうか。
それとも、私が邪魔をしてしまったのでしょうか。
少し申し訳ない気持ちになって、倉庫へと戻りました。
次の日。
一晩中降り続いた雨は上がり、光る青空。
最近の急な寒さで、倉庫のまわりは一気に冬枯れ色へと衣替え。
朝、寝室のカーテンを開けるたび植物の様子が違います。
こんもりと生い茂っていたクズの葉も、驚くほど勢いがなくなりました。
もう冬なんだな……。
苦手な冬をどうやって楽しく過ごすか、毎年悩んでいます。
この冬は、できるだけ外へ出て空と植物を撮影しようかな。
冬の楽しさは待っていても見つからない、積極的に探さなきゃ。
青空が映る水たまりを飛び越えて、ひとり、散歩へ出掛けました。