ダム堤体(本体)に穴をあける工事を見てから、気になってしょうがない五十里(いかり)ダム。
2018年2月、4月、6月の変化をまとめました。
この記事は昨年、2017年に書いた「工事中の五十里ダムが気になってしょうがない(1)2017年10月~12月 」の続きです。
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目次
ダム堤体に穴をあける!五十里ダムの工事内容
五十里ダムは1956年(昭和31年)、栃木県日光市の山奥、利根川水系男鹿川に建設されたダムです。
コンクリートの質量を利用しダムの自重でダム湖の水圧に耐える「重力式コンクリートダム」。
ダム堤体(本体)に厚みがあって直線的、威風堂々とした姿が魅力です。
現在、五十里ダムでは 3つの工事が行われています。
- 「選択取水設備」の新設
- 「利水放流設備」の整備
- 「水力発電所」の整備
今回の工事の見どころは「ダム堤体にトンネルを掘る」。
2017年10月は、まさにコアボーリングマシンでダムにトンネルを掘っている作業中でした。
グルグルと回転する機械、作業員さんたちの楽しそうな笑い声。
もっと近くで見たかった……。
こちらはコアボーリングマシンで掘り出した五十里ダムの一部です。
隙間なくキッチリと密にコンクリートが打たれています。
さすがダム。かっこいい。
<参考>
・国土交通省 五十里ダム管理支所(@mlit_ikari_D)さん | Twitter
・五十里ダム堰堤改良事業 | 鬼怒川ダム統合管理事務所 | 国土交通省 関東地方整備局
2月、雪の五十里ダム
2月上旬、標高約600mの五十里ダムの周辺は雪景色。
ダムの上流側から出ていったトラックには、除雪した雪が荷台いっぱいに載せられていました。
作業構台の上に、何かがずらっと並んでいます。
作業員さんたち 3人で袋に黒っぽい何かを入れています。
トンネル内部の仕上げ作業をされているそうなので、ダムのかけらかもしれません。
2018年1月、五十里ダムに掘っていたトンネルが貫通しました。
トンネルの直径は約2.6m、人が立って通れる大きさです。
引き出したコンクリートブロックはこちら。
ブロックも雪化粧。
近くの湯西川温泉では「かまくら祭」が開催されているこの時期、作業されている方々は寒さと雪で大変ご苦労されていたと思います。
『工事が無事に終わりますように』と雪の工事現場に祈りました。
4月、緑にかこまれた五十里ダム
4月下旬、新緑の五十里ダム。
山のあちらこちらに薄いピンクの山桜が咲いています。
そして気になる工事の様子。
トンネルにレールのようなものが。
ダム堤体にトンネルを掘る作業が終わり、放流管をすえ付ける工程に入りました。
レールは大きな放流管をトンネルの中に運ぶためのもの。
利水放流設備の工事が着々と進んでいます 。
春のあたたかな日差しをあびる巨大ちくわぶ。
この工事を知るまで、完成したダムに穴を開けるなんて想像もしませんでした。
ダムの世界は奥深いです。
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6月、嵐の前の五十里ダム
6月上旬、梅雨の五十里ダム。
4月下旬に見たときよりもダム湖の水位が上がっています。
ダム堤体のトンネルにチラッと見えるものが。
放流管です。
トンネル内のすえ付け作業は終了しました。
そして、鉛直方向の放流管取り付け作業も終了。
これから水平方向の管の取り付けが始まるそうです。
ワクワクします。
いつもは上に高く伸びているクレーンのアーム。
↑ 2018年4月撮影。
工事が休みだからなのか、それとも嵐が来るからなのか、今回はダムの天端(てんば)で横になっています。
ダムの下流から吹き上げてくる風がとても強く、帽子を押さえながら撮影しました。
本当に過酷な工事現場。
再び工事の無事を祈りました。
ダムを近くで見てみませんか?
五十里ダムは、川俣ダム、川治ダム、湯西川ダムと合わせて「鬼怒川上流 4 ダム」と呼ばれています。
この「鬼怒川 4 ダム」は、2015年の日本ダムアワードでダム大賞を受賞しました。
「日光市/ダムを活かした地域振興」によると、毎年7月に「鬼怒川上流 4 ダム見学会」を 開催しています。
普段入ることのできないダムの内部を見学できる1日限りのイベント。
見学のほか、スタンプラリーもあります。
ダムを近くで見てみませんか?
五十里ダム | 鬼怒川ダム統合管理事務所 | 国土交通省 関東地方整備局