あと何回、ここで春を迎えるのでしょうか。
3年後、5年後も、このプレハブ倉庫で。
それとも、来年はどこか違う場所で。
いつ何が起こるのかわからないのが世の常ですね。
今は鳥たちのさえずりを聞きながら、植物に囲まれてのんびり過ごしています。
青空の下、菜の花が風に吹かれてゆらゆらゆらり。
陽光を浴びて桜たちはうれしそう。
サーッと吹いた風に、舞い散る桜。
気付けば、現在のわが家、プレハブ倉庫に住んで10年以上が経ちました。
私は子どものころから引っ越しが多く、今までの人生の中で一番長く住んでいるのがこの倉庫です。
「住めば都」の言葉通り、夫と二人ひっそり暮らすプレハブ倉庫は居心地がよく、毎日が穏やかに過ぎていきます。
被災したとき、療養生活を送っていたとき、こんな温かな未来が来るとは想像もしませんでした。
日々目の前にある大小の選択肢から何かを選び、こつこつと生活を続けていると、思いもよらない風景を見ることもできるんですね。
つらく悲しい出来事やニュースに心がつぶれそうになっても、未来を信じ、これからも自分ができることを積み重ねていこうと思います。