夫のブーさんと牛丼を食べたとき、「結婚したら毎日幸せだろうな」と感じました。
私は若いころから牛丼があまり好きになれず、お店で食べたのは数えるほど。
飲み会のあとに誘われて牛丼屋さんへ行っても、ひとりで豚汁を頼んでいました。
ブーさんは牛丼が好き。
それでもデートで牛丼屋さんには行きませんでした。
付き合い始めて1年くらい過ぎたころ、ドライブ中にふたりとも、すっごくおなかが空いてしまいました。
目の前に見えてきた牛丼屋さん。
「牛丼でもいい?」
「うん、いいよ。おなかペコペコ~」
めずらしく食欲全開の私は、ブーさんと一緒に牛丼を食べることにしました。
見慣れないメニューを隅々まで見ると、辛い物好きには見逃せないキムチ。
でも、デート中だし…。
悩んでいるとブーさんが一言。
「食べたい物を食べよう。オレも一緒にキムチを食べるから大丈夫」
ブーさんの優しさにホッと安心して、牛丼と一緒にキムチを注文しました。
「おいしいね」
ふたりでパクパクと牛丼を食べ、くだらないことを言って笑っていると、ほんわかとした幸せを感じました。
ブーさんと一緒なら、気を張らずに毎日穏やかに過ごせそう。
そのとき感じたことは当たっていました。
結婚して5年以上たちますが、ケンカらしいケンカをしたこともなく
毎日笑いあって暮らしています。
あのとき入った牛丼屋さんの前を通ると
少し緊張しながら幸せを感じた牛丼を、今も思い出します。