今年もふたりで、わが家の桜を見ることができました。
私たち夫婦は、空き地に囲まれたプレハブ倉庫で暮らしています。
隣の空き地には桜の木が10本並んでいて、春になると窓から眺めたり写真を撮ったりして、静かに楽しんでいます。
正確には「となりの桜」ですが、私たち以外に眺める人はほとんどいないので、愛着を持って「わが家の桜」と呼んでいます。
朝起きてカーテンを開けると目の前に桜。
キッチンに立っても桜。
桜が咲き始めると、料理の時間が楽しみになります。
ホーホケキョというウグイスの鳴き声を聞きながら満開の桜を見上げると、より一層幸せな気持ちになります。
でも今年はなんだか静か。
そういえば、去年も鳴き声が聞こえないと夫と話していました。
これは2年前、2021年にスマホで撮影した動画です。
17秒の間に2回ホーホケキョが入っています。
以前は、こだまするように桜から鳴き声が聞こえました。
ウグイスたちはどこへ行ってしまったのでしょう。
静けさの中、桜を見上げていたら、4年前に火葬場で見た満開の桜を思い出しました。
青空の下、風に吹かれてキラキラ光る桜。
華やかで賑やかなことが好きだった故人らしい、それはそれは見事な桜でした。
そして今年。
桜が散り始めたとき、叔父が旅立ったとの知らせが届きました。
私たちは今、移住先を探しています。
来年もわが家の桜を見られるのか、仕事の都合もありますし、どうなるのかわかりません。
どこにいても、ふたり元気に桜を見られたら十分幸せ。
そんなことを思う今日この頃です。
キヤノン 2016-04-21