天空に一番近い花「ヒマラヤの青いケシ」。
栽培するのが非常に難しいその花を、日光市の上三依水生植物園で初めて見ました。
浅草から直通電車で約2時間40分。
標高約690mの場所にある「上三依(かみみより)水生植物園」は、幻の花「ヒマラヤの青いケシ」が見られる所として有名です。
緑と川に囲まれた秘境感ある植物園は、駅から徒歩7分。
青いケシが咲く時期は、神秘的な花を一目見ようとたくさんの人が訪れます。
透き通るヒマラヤンブルー!
今回は「ヒマラヤの青いケシ」と「上三依水生植物園」について書いていきます。
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目次
- ヒマラヤの青いケシとは
- 上三依水生植物園について
- 6月上旬、上三依水生植物園で「ヒマラヤの青いケシ」を撮影!
- 上三依水生植物園の住所・アクセス・営業時間、近くの食事・温泉など
- まとめ(ヒマラヤの青いケシ、上三依水生植物園)
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ヒマラヤの青いケシとは
その美しさから「天上の妖精」の別名を持つ青いケシは、標高3000~5000m以上のヒマラヤ山脈などに自生する高山植物です。
正式名は「メコノプシス」。
ブルーポピー、ヒマラヤンブルーとも呼ばれ、その神秘的な美しさは見る人の心を強く惹きつけます。
高地に自生する植物のため暑さに大変弱く、日本では継続して栽培するのが難しいとされています。
1ヶ所で多くの青いケシを見られるのは、国内では数ヶ所だけ。
その一つ、上三依水生植物園では約700株が栽培されています。
上三依水生植物園について
日光市の山奥、男鹿川(おじかがわ)沿いにある「上三依水生植物園」。
約22,000平方メートルの広い敷地は、湿生植物池、草原、ロックガーデン、和風庭園などのエリアに分かれ、約300種、約3万本の高山植物や湿生・水生植物を栽培しています。
早春のミズバショウの開花に始まり、サクラソウ、クリンソウ、コマクサ、ニッコウキスゲ、スイレン、リンドウなどが季節ごとに咲き、園内を可憐に彩ります。
「ヒマラヤの青いケシ」が咲くとテレビや新聞などで取り上げられることもあり、遠方からも多くの人が訪れます。
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6月上旬、上三依水生植物園で「ヒマラヤの青いケシ」を撮影!
私は今回初めて上三依水生植物園へ行きました。
ヒマラヤの青いケシを見るのも初めて。
こんなに素敵な場所があったのかと驚きました。
川、滝、緑に癒される。入り口までのアプローチ
上三依塩原温泉口駅から徒歩5分、国道121号線沿いに「上三依水生植物園」の駐車場があります。
案内板の矢印方向へ進みましょう。
緑に囲まれた水生橋。
この橋を渡り、右へ2分ほど歩くと植物園があります。
下には、男鹿川(おじかがわ)が流れています。
その清らかな流れは、まさに清流。
心が洗われるような美しさです。
川のせせらぎ、鳥のさえずり、虫の声。
そして、カジカガエルの美しい鳴き声を楽しみながら、男鹿川に沿って歩いていきます。
とても心地よいこの道は、旧会津西街道だと近くの看板に書いてありました。
植物園の入り口が見えてきました。
左の方から何か音がします。
滝が!
七滝
滝が七段になっているため、七滝という。
滝の中央の「くぼみ」の奥に水神を祀った像があり、朝日が差し込むと非常に神々しく見え、附近の人は毎朝拝んだという。
また、大サワラの下に金の重箱が埋めてあり、朝霧が陽に映えるとサワラの根元から虹のような御光が射し、この滝につながって見えたと伝えられる。
昭和六十一年九月 藤原町
大サワラ(熊野堂のサワラ)は滝の下流、植物園の入り口近くにあり、とちぎ名木百選に選ばれ、日光市の指定文化財にもなっています。
像は見当たりませんでしたが、引き込まれるような雰囲気のある滝。
朝日に輝く姿が見てみたい……。
上三依水生植物園の「ヒマラヤの青いケシ」は2種類、園内3ヶ所で咲いています
植物園の入り口には、本日の開花情報が貼り出されていました。
ヒマラヤの青いケシのほかに、アヤメ、クリンソウなどが咲いているようです。
ヒマラヤの青いケシは2種類、園内3ヶ所で咲いていました。
- 濃い青色が特徴の「メコノプシス・シェルドニー」
- ライトブルーの「メコノプシス・ベドニキフォリア」
それでは、1ヶ所ずつ 場所と特徴を書いていきます。
1ヶ所目は、入り口を入ってすぐ左。
こちらでは、青いケシが二段になって咲いています。
高さがあって撮りやすいため、多くのご年配の方がスマホで撮影されていました。
青いケシのまわりは、苔やシダで覆われています。
花をよく見ると、上の段と下の段では品種が異なるようです。
こちらは上の段。
少し薄めのライトブルーなので「メコノプシス・ベドニキフォリア」でしょうか。
下の花は、少し青が濃いので「メコノプシス・グランディス」かもしれません。
2ヶ所目は入り口から少し進み、右に曲がったところ。
順路通りに歩くと最後の方になります。
こちらは花の数が一番多く、ほんの少しだけ白いケシが混ざっていました。
空や木漏れ日をバックに撮影したいときは、こちらが撮りやすいと思います。
3ヶ所目は、入り口から順路通りに進み、乾生草原ゾーンの左側。
こちらには2種類の青いケシが咲いています。
後ろに林があるため、暗めのバックで花をはっきりと写すことができました。
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花と一緒にゆったり散歩
ヒマラヤの青いケシ以外に園内で咲いていた花を、エリアごとにご紹介します。
<乾生高木林ゾーン>
ブナ、ナラ、ヤマボウシ、エノキなどの落葉樹とその林床に生息する山野草を中心に植栽されています。
シラン
アヤメ
<乾生草原ゾーン>
乾生草原ゾーンには、適度な土壌湿度を好む植物などが植栽されています。
このゆるやかな坂を下ったところに、ヒマラヤの青いケシが咲いていました。
シライトソウ
<湿生草原ゾーン>
湿生草原ゾーンでは、やや湿った草原や水路周辺を好む植物を見ることができます。
クリンソウ
ルピナス
和名はハウチワマメ(葉団扇豆)、別名 ノボリフジ。
湿生草原の木道は、クリンソウに囲まれていました。
<湿生植物池ゾーン>
土壌湿度の多少で適正植物を分け、湿地や湿原を好む植物を中心に植栽されています。
4月になると、この池にミズバショウが咲きます。
キショウブ
木道わきの葉の上に、カエルの卵を見つけました。
<水生植物池ゾーン>
水生植物池は、植物園の一番奥にあります。
それぞれの水深に適応する植物を選び、水を好む植物を中心に植栽されています。
カキツバタ
ヒツジグサとスイレンは、これから花が咲くようです。
<ロックガーデン・スクリーガーデンゾーン>
ロックガーデンには、高山の砂礫地や亜寒帯の岩礫地、亜高山帯の落葉樹林の林床に生育する植物が植栽されています。
高山植物の女王「コマクサ」も、こちらで見ることができます。
ミヤマオダマキ
<高原のお花畑ゾーン>
高山植物の中でも適度な土壌湿度がある草原を好む植物、やや乾燥した草原に生息する植物を中心に植栽されています。
時期がずれていたようで、ほとんど花が咲いていませんでしたが、オダマキ、ヘメロカリスなどが見られるようです。
お花畑を抜けて林の側を歩いていると、気になるものが!
ヤマトリカブト
私は詳しくないのですが、赤い矢印で示した葉がトリカブトかもしれません。
日本固有種の有毒植物。
開花時期は8月~10月です。
<和風庭園ゾーン>
池を中心とした和風庭園には、地域の神社と巨木、小さな滝があります。
奥には鳥居と祠。
鳥居をくぐると、大きな大きなイチョウの木がありました。
こちらは日光市天然記念物です。
樹齢約300年、樹高35m、根回り8.4m
案内板によると、熊野堂神社は旧尾頭街道沿いにあり、大イチョウは御神木として植栽されたものと推定されています。
根元から大小2本の幹が立ち、太い方は地上7m付近で落雷により枯れてしまいました。
しかし、その下部から伸びた2本の幹が癒着して成長し、今も立派な姿を残しています。
上三依水生植物園の住所・アクセス・営業時間、近くの食事・温泉など
上三依水生植物園は、野岩鉄道「上三依塩原温泉口駅」から徒歩7分。
野岩鉄道では、毎年「上三依水生植物園」の入園割引券の配布を、6月1日から30日まで行っています。
鉄道を利用すると入園料が1割引!
乗り降り自由なフリーきっぷで、植物園をはじめ 沿線の温泉などを楽しむのもいいですね。
公式サイト:野岩(やがん)鉄道株式会社
上三依水生植物園
住所 | 〒321-2802 栃木県日光市上三依682 |
アクセス | 野岩鉄道 上三依塩原温泉口駅から徒歩7分 |
電話 | 0288-79-0377 |
開園期間 | 4月15日~11月30日 |
休園日 | 4月15日~8月31日は無休 9月1日~11月30日は毎週水曜日(祝祭日は開園) |
開園時間 | 午前9時~午後4時30分(最終入園は午後4時まで) |
入園料 | ・大人:4月~8月 500円、9月~11月 300円 ・小学生、中学生:150円(夏休み1ヶ月間無料) ・シルバー(80歳以上):無料 ・シルバー(70~79歳):10%割引 ・身体障害者手帳等を交付されている方、幼児:無料 ・団体20名以上:20%割引 ※無料・割引入園は、証明書等の提示が必要です。 |
駐車場 | 無料(乗用車50台、大型バス10台) |
無料貸出 | 車椅子5台、雨傘 |
※飲食、ペットを連れての入園はご遠慮ください。
公式サイト:上三依水生植物園(現在咲いている花をチェックできます)
食事
三依地区は水がとても美味しく、昔からそば打ちが盛んな地域です
近くで食事をするなら、上三依塩原温泉口駅から徒歩1分の「こま草」がおすすめ。
天盛り1,000円、ぶっかけおろしそば750円。
安くて美味しい!
天ぷらは食べきれなくて持ち帰りました。(持ち返り用パック有り)
温泉
植物園のまわりには 塩原温泉、中三依温泉、湯西川温泉、川治温泉など、自然あふれる温泉があります。
- 塩原温泉:車・バスで約20分
- 中三依温泉:車・電車で約5分
- 湯西川温泉:車で約30分、電車とバスで約35分
- 川治温泉:車で約25分、電車で約20分(川治湯元駅下車)
どれも清流沿いの静かな温泉です。
塩原温泉へは駅からバスが出ています。
本数が少ないのでご注意ください。
三依地区でおすすめなのは、隣の中三依温泉駅から徒歩3分の「男鹿の湯」です 。
やわらかな美肌の湯で、のんびりゆったり。
宿泊、キャンプ、BBQもできますよ。
【公式】 - 日光 中三依温泉 男鹿の湯 − みよりふるさと体験村
まとめ(ヒマラヤの青いケシ、上三依水生植物園)
栃木県日光市にある上三依水生植物園は、幻の花「ヒマラヤの青いケシ」が咲く、国内では数少ない植物園です。
駅近くにありながら、静かで自然豊かな環境。
幅広い年齢層の人が訪れ、ベビーカーや車椅子の方もいらっしゃいました。
心を癒すヒマラヤンブルー。
花々といっしょにのんびり過ごしてみませんか。
美味しいお蕎麦、やわらかな温泉も楽しめますよ。
▽私は湯西川(ゆにしがわ)温泉「揚羽」に宿泊しました。
貸切露天風呂と囲炉裏料理が大好きです。