大好きなカメラを長く使うため、ドライボックス(除湿庫)を作りました。
カメラの天敵は、ホコリと湿気。
ホコリがレンズの中に入ってしまったり、湿気でレンズにカビが生えてしまうと、簡単に取り除くことができません。
今回は カメラの保管と湿度 と 自作ドライボックス についてまとめます。
目次
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カメラの保管に最適な湿度は?
カメラの保管に最適な湿度は 40%~50%前後です。
一般的にカビの発生は80%以上が危険ゾーンと言われていますが、カメラには65%以上が危険な湿度です。
逆に湿度30%以下になると、乾燥によるコーティングとゴムの劣化、変色などでカメラを痛めてしまうため 乾燥しすぎにも注意が必要です。
黄カビ「カワキコウジカビ」に注意!
カメラのレンズに曇りを生じさせる黄カビ「カワキコウジカビ」は、湿度65%以上を好み、空気中の湿気を養分として乾燥した場所に発生します。
乾燥に強く、数年にわたって生き続け、畳・じゅうたん・家のチリに多く見られます。
発生場所は乾物、穀類などの食品のほか、ガラスやフィルム、本、刀剣、精密機械の基盤など。
カメラとレンズは、湿度65%以上の場所に放置しないよう気をつけましょう。
<参考>
・カビQ&A | 衛生微生物研究センター
・カビの種類6つと特徴と違い一覧!| タスクル
ダイソーの商品3つで「ドライボックス」を作る
ドライボックスの自作に必要なものは3つです。
- 密閉容器
- 湿度計
- 乾燥剤
密閉容器は フタをしっかり閉められる大きめの「タッパー」で代用できます。
そこで、私はダイソーの商品でドライボックスを作りました。
- タッパー(メガフードコンテナー)5.0リットル
- 湿度計
- 乾燥剤(シリカゲル)
すべて100円商品のため、3つで税込み330円です。
あとで詳しく書きますが、この乾燥剤はカメラの保管に不向きです。
密閉容器
5リットルのタッパー。
コンデジ1台には、かなり余裕のある大きさです。
もう少し小さなタッパーでも大丈夫でしょう。
カメラのクリーニングキットなども一緒に保管することにしました。
湿度計
3wayのアナログ湿度計。
薄く場所をとらないものを選びました。
電子機器の近くに磁石を置くのが気になる場合は、簡単に取りはずせます。
磁石は両面テープで貼ってあるだけでした。
※注意
・この湿度計は目安計であり、実際の湿度とは多少の誤差が生じる場合があります。
・パッケージ開封時または他の場所へ移動した場合は、正しい値を示すまでに1~2時間必要です。
乾燥剤(シリカゲル除湿剤)
食品用乾燥剤(シリカゲル除湿剤)
電子レンジで再生可能というのに惹かれて買いましたが、このシリカゲルはカメラの保管には向いてないそうです。
買ってから気付きました。
理由は成分にあります。
この乾燥剤の成分は A型シリカゲル。
カメラの保管に向いているのは、B型シリカゲルです。
一般的に販売されているシリカゲルは、大きく分けてA型とB型の2種類あります。
A型・B型シリカゲルの主な特徴は次の通りです。
A型 | ・低湿度時の吸湿力に優れる ・吸湿容量が許すまで吸湿し続ける ・吸湿容量はB型シリカゲルより小さい ・放湿に150℃以上を要する |
B型 | ・高湿度時の吸湿力に優れる ・湿度を約60%にコントロールする ・吸湿容量はシリカゲルAより大きい ・湿度が下がると自力で放湿できる |
「A型シリカゲル」は、湿度が低い状態でも構わずグングンと湿気を吸い続けます。
限界まで湿気を吸い終わると吸湿を止め、それまで吸いとった湿気は蓄えたまま維持します。
「B型シリカゲル」は、湿度が高い状態で優れた吸湿力を発揮します。
湿度が下がると放湿するため、床下、楽器、家庭用などの調湿剤として使用されます。
天日干しで再生することが可能で、ダイソーでも販売しています。
追記:ダイソーで「B型シリカゲル」を買いました。
くり返し使える「除湿シート」革製品・カメラ保存用 5枚入り 100円
「B型シリカゲル」は、湿気だけでなくアンモニアやホルムアルデヒドなどの空気中の不快なニオイや有害なガスも吸着する特性があります。
青い粒が赤に変わったら、半日以上、天日干ししてください。
干して青くなったら吸湿力が回復しています。
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自作ドライボックスの除湿効果は?
「A型シリカゲル」「B型シリカゲル」を使い、自作ドライボックス内の湿度変化を観察しました。
観察した日は雨が降りつづき、部屋の湿度は一日中60%を超えていました。
A型シリカゲルの湿度変化
湿度 64%
このA型シリカゲルの使用量の目安は「密閉容器1Lに対して1~2個」
5Lのタッパーなので5個使用しました。
ピンクのポーチには、クリーニングキットとバッテリー充電器が入っています。
A型シリカゲル1時間後
湿度 38%
このまま続けると湿度30%以下になりそうなので、シリカゲルを2個に減らしました。
A型シリカゲル2時間後
湿度 38%
1時間前と同じです。
シリカゲルをさらに減らし、1個にしました。
A型シリカゲル3時間後
湿度 48%
10%上昇しました。
フタが少し開いていたのでしょうか……
その後、7時間ほど観察を続けたところ、少しずつ湿度が下がり40%になりました。
B型シリカゲルの湿度変化
湿度 64%
このB型シリカゲルの使用量の目安は「箱20Lに対してシート2枚」
5Lのタッパーなので1枚使用しました。
B型シリカゲル1時間後
湿度 51%
ちょうど良い湿度になりました。
青い粒が一部赤く変化しています。
B型シリカゲル2時間後
湿度 51%
1時間前と同じです。
赤い粒が多くなりました。
B型シリカゲル5時間半後
湿度 52%
青い粒すべてが赤くなりました。
そこで、新しいシートと交換してみました。
15分後には湿度40%まで下がっていました。
新しいシートに交換して2時間後には湿度34%まで下がり、20時間ほど観察したところ34%を維持していました。
A型・B型どちらのシリカゲルも、容器内の湿度が安定するまでは、こまめにチェックした方が良さそうです。
カメラの自作ドライボックスのまとめ
・カメラの保管に最適な湿度は 40%~50%前後
・ドライボックスの自作には 密閉容器・湿度計・乾燥剤 が必要
・シリカゲルを使う場合は B型シリカゲル を選ぶ
100円ショップの商品3つで、カメラの保管に必要なドライボックスを作ることができました。
手入れを忘れず、これからも大好きなカメラと撮影を楽しみます。
カメラの保管に必要なもの
カメラの天敵は「ホコリ」と「湿気」です。
保管する前に、ブラシとブロアーでホコリを取り除き、クロスなどで汚れや指紋、油脂を拭き取りましょう。
持っているカメラ・レンズが2台以下で全部を頻繁に使っている場合は「ドライボックス」でOK
▽カメラとレンズ用の乾燥剤・防カビ剤
カメラ・レンズを多数持っていて、頻繁に使わないものがある場合は「全自動防湿庫」があると安心です。